【笠ヶ岳 その1】

標高2898m

月21日(金)雨のち曇り

チー

マピオン地図・・・・・・・・ ・・・  地図上の  が 笠ヶ岳 

新穂高600−笠ヶ岳登山口715−杓子平1120・1146−笠新道分岐1335−笠ヶ岳山荘1522


7月、アルプスのベストシーズンに新穂高から弓折岳まで登ったものの、
あまりの雨に閉口し、無念のリタイア。

その時から、ゼッタイ、笠に行くで!と決めていた。
念願かなって、いざ当日!

せっかくなので、今回は逆コース、笠新道を登ろう。

笠新道は急登だけれど、その日のうちに笠ヶ岳に登れるし、
翌日、少し早めに出れば、15時前のバスに間に合う、まさに一石二鳥?(^^ゞ

花のない時期、ちょっとくらい強行軍でも行けるかな?

ま、どのみち独り旅
ダメだったら戻ればいいし、行きたかったら、もっと行けばいいし、気楽なもんだ
孤独ともいう。(笑)

バスは新穂高に5時半着だが
運転手さんが絶好調でびゅんびゅん飛ばしてくれたので、30分近くも早く着いた。
降車したら外は雨、おまけに夜明け前でまだ真っ暗。

2ヶ月前とは勝手が違う、、あ、雨降ってるのは同じだが、(/_;)



降車したのはたったの数名、ほぼ男子。(笑)

前回と同じ、トイレの前で軽い朝食、ホットコーヒーが美味しい季節になったなと
恨めしそうに雨空、見上げて、トイレで支度。

ええここも、慣れたもんですわ。(笑)



お先に、(^.^)/~
テン泊、縦走ふうのニイサンに挨拶して、左俣林道へと入っていく。

ゲートの前で立ち止まり、今回は登山届を出しておこう。
気休めだけど。


道端には、ゴマナ、カメバヒキオコシ、ユウガギクが、ずぶ濡れでも咲いている。
そして、あの日のオオヤマレンゲは、もう赤い実をぶら下げていて、



思った以上にガスが速い。
もしかしたら、ほんとに天気が良くなるのかも?

数人の山姿と抜きつ抜かれつ、笠新道の取りつきに7時12分


10分ほど先の「わさび山荘」まで行って、予報チェックしてこようかと一瞬、思うが
ま、見たって天気が変わるわけないし。(笑)



笠新道は急登なので、傘の代わりにストック出して
ここから観念の登りになる。



カメラもしばらくお預けだな、と思っていたけど、あら 雨止んでる?
露はまだポタポタしてるが。

しっとり濡れたブナ林をうっとり見てると、ちょっと元気になってくる。



樹林帯のジグザグでも、思いがけない風景が見えたり、色んなものが目について
おかげで全然、退屈しない。

それだけ歩みが遅い、ってこと?(^^ゞ

 奥穂?  焼岳


標高1700m
この辺りまで来ると、頭上が開けて、見晴らしがよくなる、、
でも、特記するほどでもないような?

まぁ、撮るだけは撮っておこう。(笑)



そろそろ杓子平かな? とか思っていたら、、
え、マジですか?、、ってな表示に出合って、もう、ガックリ。(笑)



随所のこういう表示が励みになると、どこかに書いてあったけど
ウソつけ! まったくの逆効果や、みたいな。

でも、それなりの景観が広がってきて、悪い気はしない。(笑)


たまに青空が覗いたり、
僅かばかりの紅葉や、色んな実が、とっかえひっかえ挨拶してきて、そのせいか疲れない。
ただ、長いんですよ!(遅いともいう)



もうそろそろ杓子平でもいいのに、まだですかね?

たまたま横の人に訊ねたら
「平」って言うんだから、きっと「平ら」なとこなんでしょう、、
あ〜なるほど。(笑)


眼前に岩壁が迫ってきた。
「平ら」なところは、あれのさらに上だろうなぁ、


独り、ぶつぶつ言いながら、険しくなるとそれなりにムキになって
登りつめて、笹かき分けてポン!
出た!

なるほど平らなとこだわと、思った瞬間、眼前に青空
稜線バーン。

スゴーイ!

しばし、あっ気に取られてる。(笑)

杓子平11時20分


やっと正気に戻ったので(笑)
休憩を兼ねて軽い食事、、今、着いたばかりの人に、わざわざ写真を頼んだり、(^^ゞ



ふと、稜線の鞍部にガスまみれの小屋が、ちょこんと覗いているのが見えて
えっ、あれが今日の笠ヶ岳山荘?

ってことは、笠ヶ岳は、あれのまだ先?
\(-o-)/



30分ほど休憩したら、気を取り直して出発する。

いきなり稜線に向かうのではなく、まず、この杓子平をトラバースしていく。
それがなかなかいい感じ。



もともと湿地だったのか、イワショウブが咲き残ってる
黄葉したコバイケイソウ、その間を縫ってタテヤマアザミ、隙間に楚々とミヤマリンドウ



見上げれば絶壁が迫り来て


ウメバチソウ、オヤマリンドウ、ベニバナイチゴ、クロマメノキ?
秋ならではの花や実が、あちこちでカラフルに競う。



そして、いよいよ岩壁に取りつき、傾斜がきつくなってきた。


もう13時
さすがにガスも出始めている。

茂みの中に下の方から白くなったライチョウが数羽、そっとこっちを窺っている。

こんちは〜(^◇^)v


石積みエリアは随所でガレてる。
雨の日に、これは下りたくなかったな、、と、今あらためて思い返して、
しかし
登っても登っても、なかなか稜線に辿り着かない。
標高が高くなったので、空気も薄くなってるだろう、そろそろ勘弁してほしい、とか思いながら

やっと稜線
抜戸岳分岐に出た。


抜戸岳には行くだけヤボ、って感じのガスなので、そっちは止めて
急なガレ場を下って縦走路に入る。
13時35分

杓子平からほぼ2時間、、こんなにゆっくりでも一応、コースタイムだったみたい。(笑)



ここから山荘まで、1時間10分ほどの稜線歩き。
ガスガスだから、足元だけを楽しみに?



稜線はハイマツ帯
草紅葉や、たまにガンコウラン、コケモモの白い実が際立っていて、まさにツツジ科の天下。



もう先は分かってるので、ゆっくりコーヒーでも?
と思うけど、ヤッケを着ないと寒いくらいで、こんなところで全く寛ぐ余裕などない。

早く山荘に着いて、ゆっくりしよう。



いつの間にか誰もいなくなって、私一人がこのガスの中を、
トボトボと歩いている。

稜線は軽いアップダウンを繰り返しながら、歩いても歩いても道が延びていってる感じ。
展望ないし、後どのくらいなのか見当もつかないし

いよいよ疲れもたまってきたか
身体が重い、頭も重い。

まぁ、この天気では凹みますわね、、(笑)



ヨタヨタしてたら、山頂からもう引き返してきた女性にバッタリ。
この先が抜戸岩で、山荘はその先ですガンバッテ!

彼女は今日、笠新道ピストンらしい、、凄いなぁ、、


やっと抜戸岩、、おぉ、確かに抜戸だ。



感心してる場合じゃなくて、まだ半分ほどしか来てないんじゃない?
と、改めて地図を覗き込み、


その後も何度もへたりながら、もう、まどろっこしいほど、ノロノロ歩いては休み〜

ふと、テン泊姿の男性が通りかかり
大丈夫ですか?
ハイ、大丈夫です、にぃ〜 (^^;



けど、よっぽど大丈夫でなかったのか、その先のコブでそれとなく待っててくれて

ほら、あの先に小屋が見えるでしょ、もうすぐそこだ、あと、ほんの5〜600m!

ハイ、分かっております、見えとります
でも、体が前に進まん、ぼろ布みたく崩れそうなの、あぁ、情けない、、(/_;)



イライラすると頭痛がする
うーん、立ちくらみまで、、イカンイカン!

男性は、テン場でも待っててくれて
ブドウ糖を無理やり持たせて、これ噛まないでね、舐めるだけ。
元気が出るから。

本当に申し訳なくて、辛かったのだけど、ついぞ元気な姿を見せれず終いで
稜線に出てから2時間近くもかかって、ようよう笠ヶ岳山荘にたどり着いた。
15時22分



今日の小屋はガラガラみたい。
6人部屋に通されたけど、青森から来たおばさんと二人っきりだって。

挨拶だけして布団にゴロン、、そのまま15分ほど、寝てしまった。(^^ゞ

少しはマシになったかと、恐る恐る起きてみて

あぁ、今、登らないと日が暮れてしまうなぁ、、
と、空身で山頂を極めに行く、そう、明日の朝はもう、時間的に無理だろうし、、



ガレガレの斜面を一歩一歩登っていく、少しヨタヨタするけど荷物がない分、ゼンゼン楽!
しかも、ガスが少し上がってきてる。

こんな時間から登っているのは私だけだけど。(笑)

15分ほどガレ場を伝って、山上の祠に到着。
ここかな。


いや、あっちだ、と書いてある。
見れば、左手に三角点がちょこんと飛び出て、


わずか数十メートル、、そのそっちに着いたその瞬間、ビッカーン! 
えーっ まさかの青空。\(^o^)/

眩いばかりに太陽が、山頂表示を煌々と照らし、、しかし、ここだけ照らしてもらっても?(笑)



山頂の向こう側の稜線が、ほんの一瞬、チラリと覗き、慌ててカメラ、再びガスに埋もれてしまった。
何だったのあれ? って感じ。(笑)



祠のピークに戻ってくると、眼下に赤い屋根の山荘やテン場が広がってるのが見えて、
さっき、歩いてた稜線も、ガスの間に見え隠れ。

このまま天気が、回復してくれればいいんだけれど、、



小屋に戻るとまもなく夕食。
食堂には20人くらいが集まって、和気あいあいと楽しそう。

同室の青森のおばさんと後もう一人、単独の女性もおられる。

せっかくの機会なのに、私はもう、会話もできないくらいお疲れモードで、ご飯もほとんど喉を越さず、
早々に詫びを言って食堂を後にした。

スンマヘン<(_ _)>



乾燥室にタオルを取りに行ったら、
オジサンが、窓の外を眺めながら、今ちょうど月が山頂の上に出てますなぁ、
あぁ、ほんま。

これは良い兆しだろうかと、体調を回復を願って早々に床に就いた。



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